前職の経験を生かせるように転職先の業種を選ぶと転職に成功しやすいと言われるが、それでもうまくいかないことは多い。業種によって中途採用で重視されるポイントには違いがあり、必ずしも前職の経験に目を向けられるとは限らない。事務職では同じ系統の事務に携わった経験が重視され、技術職であれば類似の技術を使った業務経験があると有利になるのは確かである。しかし、ルーチンの仕事を行う作業員の場合には経験があることよりも、繰り返しの作業に耐えられる体力と精神力が求められることになる。

また、クリエイティブ系の場合には経歴よりも今の性格や発想力の方が求められやすい。業種によって職歴や経験が活用できるかどうかには違いがあるため、ニーズに合うように自分を作り上げることが必要になる。うまくいかないのが転職先の業種におけるニーズを理解していないことが理由である場合は多い。どの企業でも同じ作業を行うような業種であれば経験があることは重宝されるが、現場ごとに新しいことを行わなければならない場合には経験は必ずしも必要ではない。

基本となるスキルがあることや、同僚として付き合いやすい性格を持っているか、あるいは単純に厳しい労働にも屈しない体力があるかが重視される傾向がある。その分析を行った上で準備をしてから転職に挑むと成功することができる。業界研究が転職に重要と言われているのはニーズが刻々と変化しているからであり、最新の情報を手に入れることも忘れてはならない。